テラでの勤務で忙しい日を送っていて、サリトと会う日まで後10日となった。
体制が変わって出入りが自由化されたとはいえ、ネメス星の宇宙ステーションは規模がそれほど大きくないため、自星の大型艦数艦以外は発着ができない。
宇宙連邦軍第9宇宙ステーションから、ネメスの宇宙ステーションまでの足はどうするか。
調べてみたら、前のままで商業ルートはあるものの、商人の出入りばかりで、ネメス星までは宇宙バスの運行は行われていない。
あの宇宙ステーションでは、宇宙連邦軍の払い下げの中古の小型船の売買が行われているはずだから、買うことはできるだろうが、おそらくレンタルはないだろう。
先にもの事を決めてしまう、僕の、いつものくせだ。
ネドは逡巡したあと、キャプテン、キースにギガの小型船を借りれないかと打診してみたのだった。
もちろん、サリトとの事は話さないで。
翌日、キャプテン、キースから許可が下りた。ワオ!
時は瞬く間に過ぎて、宇宙連邦軍宇宙艦テラは、宇宙連邦軍第9宇宙ステーションに着艦した。
前もって親友のミランには、悪いけど今回の宇宙ステーションの立ち寄りでは、僕はちょっと用があって付き合えない、と話をしておいた。
察しの良い親友はすぐに笑い出して、
「サリトさんですね」
と、ずぼしをついた。
「失礼。わかりました、中尉」
と言った後も、ミランはくすくす笑いを続けていた。
失礼なやつめ!