「ところで、ネド少尉はどうかな」
サライ最高司令官が脇のラムル総統に気を使いながら、キャプテン、キースに聞いた。
「ちょっと待ってください。ドクター、マシアス、ネド少尉は今、どんな感じかな?」
「あと数時間で回復すると思います」
「最高司令官、聞こえましたか?」
「ああ、ありがとう。よろしく頼むよ」
「キース大佐、ラムルだ。ごくろうだった。ゆっくりしてくれ。ネド少尉の事は、私からもよろしく頼むよ」
ラムル総統の心配そうな声が続いた。
本部との話が終わったのを聞いていたドクター、マシアスは、キャプテン、キースの所へ近寄ってきた。
「キャプテン、キース。ちょっとよろしいでしょうか」
「なにかね、ドクター」
「衛星コムにいるドクター、スプームをここに呼んでもよろしいでしょうか」
「おいおい、ネドは良くないのか?」
「いえ、もしそうなら、許可をいただかずに、そのままここに来させていますよ」
「なるほど、まあ、いいだろう」
「ありがとうございます」
すぐにゲストルームの中央がキラキラ光ってドクター、スプームが実体化した。
実体化すると、スプームは周りを見回して、
「おお、これはお揃いですね、キャプテン、キース、ルコ副長官」
「やあ、ドクター、スプーム」
「久しぶりだね、ドクター、スプーム」
スプームはベッド脇に座り込んでいるネドの治療に早速とりかかった。
「さてと、私はそろそろ、席を外してもよいころかな、キャプテン、キース」
「終わったのですか?副長官。早いですね」
「ああ、報告書が速いのは私の取柄でね」
商務省副長官ルコは、そうキースに言うとゆっくりとゲストルームから出て行った。
ソファで報告書を作っていたSE二人も、報告書を書き終えてキャプテンキースにその旨報告をし、キースの許可で、休憩すべく、ゲストルームを出て行った。
さて、ネドは、スプームの治療で呼吸が楽になると、睡魔がおそってきてそのまま眠りに落ちて行った。
キャプテン、キースは机で報告書を書いていたが、ついに書き上げ、ほっとして、目線を上げた。
見てみると、ネドはベッドに寝かされていて、治療が終わったドクター二人はソファでくつろぎながら、何やら話をしている。