中央の座り込んでいるハボス星人の脇には、もう一人ハボス星人が立っている。この計画の首謀者なのか。
シュッ
扉が開いて、ハボス星人の幹部らしい人物が入ってきたようだ。
「会話が聞けないかな?」
サライが大きめに呟くと、
「流します」
と士官が応えた。正面スクリーンの画像から、ハボス語が聞こえた。
「寝てるのか?」
部屋に入ってきたハボス星人だ。
「はい。疲れたようです」
「ふん。で、状況はどうなっている」
「繰り返しイメージを送り付けているのですが。ただ、先ほど、うまくいくかもしれないと言っていました」
「かもしれない?やるんだよ!時間がない、おこせ!」
「わかりました」
「さっさとやれ!起きろ!」
バシッ
幹部は座り込んでいるハボス星人に近づくと、起きろというように蹴りを入れた。
「ウッ・・・・」
「始めろ!殺されたいのか!」
と幹部は凄みのある声で言葉を残すと、シュッ、部屋を出ていった。
サライは、右脇のパネルですぐにネドのそばにいるネプスに連絡をとった。
「ドクター、ネプス。ドクター、ネプス。聞いているか?」
ネプスが左前腕を使って、緊急通信で応答した。
「はい。今、医療機器を切り替えて画像も見ていますから、状況はわかっています」
「どうする?また精神波が始まる。ブロックが強固になったのに気ががつくだろう。やつらは本気だ」
「ネド中尉は眠らせてありますし、Fコードを強化して張った所ですので、なんら問題はありません。実は、私にわかったことがあります。」
「で・・」
「できれば・・・」
「・・わかった。後で聞くよ」