どのぐらい眠っていたのだろう。
ネドが気が付いて目を開けると、見たことのある天井である。視線をずらすと、見たことのある部屋であった。(ネドがギガに乗船した時に入ったことのあるゲストルームである)
「ネド、気分は?」
ドクター、マシアスの声がした。
「もう、もう大丈夫だ」
と言った自分の声が弱弱しくて、我ながら情けない。
「もう少し休もうか。疲労が溜まっているからね」
ネドはマシアスの声を聴きながら目を閉じた。すると足音がして別の男の声が聞こえた。
「ネドはどうかな?」
「あ、キャプテン。もう、大丈夫です、が、ただ、疲労が溜まっているので、もう少し休ませようかと思っていた所です」
「そうか。うーん、ちょっと話をしていいかな?」
「いいですが」
近づいてきた声は、このギガの艦長、キース大佐の声だ。
「ネド、気分はどうかな?」
「もう大丈夫です。起きれます」
目を開けたネドはそう言いながら、なんとか起き上がろうとうした。
あわてて、キャプテン、キースは
「ネド、そのままで」
と声をかけた。
キャプテン、キースとは久しぶりの再会だ。
ネドは制止を振り切ってベットから出て、立ち上がろうとした。
「キース大佐、お久しぶりです」
「ネド、ネド、そのままでいて」
「いえ、大丈夫です」
片手でネドを支えるようにして、キース大佐は困惑した。
「ネド、そばでマシアスが渋い顔をしているよ」
「僕はもう、患者ではありません」
「うーん、ネド、いや、ではネド小尉。忘れているかもしれないが、ここはケネス宇宙軍の艦内だ。ケネス式でやらせてもらう。いいかな」
「はい」
ネドは視線を落とした途端、頭がくらりとした。
「掛けて」
キャプテン、キースはネドを支えてベッドにかけさせた。
ドクター、マシアスはベッドの背側の壁を触った。