ゲストルームでサライは改めてネプスに報告を求めた。公にまだしたくないことがあるのだろう。 ネプスの報告を聞いたサライは、驚きを禁じ得なかった。
2時間が経ち、ケネス宇宙艦ミッドは、テラの脇に到着した。
到着と同時に、サライら3人は、まだ朝と言える時間に宇宙連邦軍宇宙艦テラへ小型船で向かったのだった。
ハボス艦は、まだ到着していない。にわかに護衛船となった船と代表者船は当然、足並みを揃えてここにくるのだろう。
ミッドの近くには、透明スクリーンを切った形でケネス艦3艦がすでに集結していた。宇宙連邦軍宇宙艦テラに若干離れて停泊している。
ケネス宇宙艦ギガは透明スクリーンをかけてテラの脇に停泊したままだ。
サライらの乗ったケネスの小型船が、テラの格納庫に着艦した。
空気と気圧、温度の調整が済んで、テラのキャプテンンの歓迎を受けた後、ネドに扮したドクター、ネプスとテラの中を回り、そしてネドの乗務員宿舎へサライたちは入った。
「ドクター、ネドはどうだね?」
ネドの部屋へ入ると、すぐにサライはマシアスに声をかけた。
「衰弱していましたので、深い眠りにつかせています」
「そうか」
マシアスは続けて、
「当分、起こせませんが」
と応えた。
「いや、その方がいい、ドクター」
応えながらサライは、医療機器が切り替えられて緊急通信を伝えている医療パネルに近寄った。一緒に来た秘書官、補佐官が、早速、緊急通信を見ている。
サライはチラと見てハボス艦の位置を確認すると、そばにいるドクター、ネプスに振り返って言った。
「ドクター、ネプス。さっきの話の続きはいいかな?それは確認したのかな?」
と、水を向けた。
「はい、最高司令官。確認しています。ハボス艦の中の古びた機械は、あれは、我々ケネスで造られたものに間違いありません」
「うむ」
「えっ」「へ」
秘書官、補佐官は驚きの声を上げた。
「波の分析をしましたので間違いありません。私にはわかっていたのですが、信じられず、確認に時間がかかってしまいました」
「ということは、どういうことだね?ネプス。」
「あれは、昔のケネス星にいた精神科医が造った精神波増幅装置です」
「え?」