「こちらも停止」
「了解、停止」
ケネス宇宙軍大型船ミッドが透明スクリーンを切って、ギーア船の前に姿を現した。
「キャプテン、ギーア船が急減速しています」
「ギーア船停止しました」
「小型船の収容を急いで」
「了解、キャプテン」
「キャプテン、今、格納庫に小型船が入りました」
次々と状況が変化する。
ネドはギガのゲストルームのベッドで目覚めた。
目を開けると、見たことのある天井である。
「ネド、どうだい、気分は?」
ドクター、マシアスが声をかけた。
「もう大丈夫だ、ドクター、マシアス。世話をかけて申し訳ない」
ネドは言いながら、すぐに身を起こした。
「おいおい、ネド」
止めようと声を上げたマシアスを無視して、ネドはベッドを出た。
「ところで、ドクター。僕はどのくらい気を失っていた?仲間は、部下はどうなっている?」
「ネド。もう、ケネス宇宙軍が介入しているから、心配はいらない」
「状況を知りたいんだ。教えてくれ、マシアス」
「わかった。君がベッドに入って、10分しか経っていない。たったの10分だ。それから、僕がコントロールルームにいた時は、まだギーア船もワームホールの中だった。応援にきたわがケネス艦のミッドとにらみあっている状態だった。僕らのギガも、まだ、ワームホールの中だよ」
「そうか、ありがとう、ドクター。僕は行くよ」
「どこへ?ネド」
「コントロールルームへ行く」
「おい、ネド」
ネドはあきれた顔のドクターマシアスを残して、すぐにゲストルームを出た。
高速エレベーターで最上階のコントロールルームへ行く。
シュ
エレベーターの自動ドアが開くと、正面のコントロールルームの大窓から外の景色がそのまま見えた。キラキラ揺らめくワームホール内の光の渦が。
うわっ
ネドに気が付き、皆が一斉に振り向いた。
「偏光スクリーン!」