ネドは相好を崩した。
「これは歓迎かな?チムナス!」
怪物は人型に変化した。
「もちろん、歓迎です。お喜びいただけましたか、ネドさま」
「ああ、久しぶりにね」
「これで、4回目でございますね」
「ああ」
ネドは懐かしそうに中を見回した。
「僕は君が変身するのが大好きだったからね。最初に来た時は、何度も君に変身して、とせがんだよね」
「はい。変身するたびに、手をたたいてお喜びでした」
「おじいさんも一緒だった」
部屋の奥に向かって歩きながら、
「変わっていないね」
とチムナスに声をかけた。
「はい」
「ま、当たり前か」
部屋の中には膨大な数の棚が置かれている。棚の上に、ナンバーがついた半透明な箱が、これも膨大な数が載せられている。
奥にはソファが置かれている。
「ちょっと考えたくて来たんだ」
ネドはそう言って、奥のソファへ向かった。
「何かお出ししましょう」
とチムナスはネドに言うと、奥の合成調理器へ向かった。
ネドはソファにゆったりともたれながら、目の前の膨大な棚をみつめた。
これが何なのかは、僕が2回目に、ここに少年となって来た時に、チムナスから教えられた。チムナスは僕に教える前にちょっと固まって、おじいさんに許可を得ていたようだった。
衝撃だった。これが何かを知った時は。
「どうぞ」
チムナスがテーブルに飲み物を置いた。
トン
「ありがとう」