全身は黒い硬い毛で覆われていて、頭部には毛がなく、黒いうろこのような硬い皮膚がみえている。全長一メートル、羽を広げると二メートルか。
足は2本で足先の爪は鋭い。羽の方にも同じように羽の先に指と鋭い爪が生えている。
眼が異様に金色に光っている。
くちばしは全身から見ると非常に大きく、くちばしの中に鋭い歯が生えている。
見ただけでは、鳥類なのか爬虫類なのかわからないしろものである。
立体地図に見入っていると、ふっと気配がして、ネドは振り返った。
空間の一部が光って、ドクター、マシアスが実体化した。
「やあ、ネド」
「ドクター、マシアス。すると上にいるのはギガか」
「ということだよ」
「で?」
「上に打ち合わせに来れないかと思って、誘いに来た」
「そういうことか」
「そういうことだよ」
「気持ちはありがたいけど」
「うーん、そういうと思った。でも、ネド、人に協力してもらった方がいい場合もあるよ」
ネドは首を振った。
マシアスはため息をつくと、左前腕を触って、ケネス宇宙軍宇宙艦ギガと連絡を取っていたが、やがて、
「僕は君に同行することにする」
「え?」
「僕は今月の当番医だから、患者に同行するのは当たり前だろう」
「僕は健康だ」
「それを決めるのは、君ではない、僕だ」
渋い顔をしたネドをしり目に、ドクター、マシアスは喜々としたようだった。
そして、彼はちょっと周りを見ていたが、やがて左前腕を触って小さな白い器械を転送させた。
それを地面に置いて、その器械に向かって10メートル四方、と言うと、その器械からふわっと風が吹いて、10メートル四方内にいたサソリのような虫とへびのようなものは10メートルから外に飛ばされた。そしてすぐに周りは暖かい空気に満たされた。
翌朝、陽が登るとすぐに、ネドはタリを起こした。と言っても、タリは眠れないようで何度も寝返りをうっていたが。
「タリ、起きて」
タリはびくっとして目を開けた。
「悪いが、僕らは先にヌコ取りに行ってくる。君はここで待っていてくれないか」
「僕ら?え?そ、その人は誰?」