「ありがとう、フェレル」
「さあ、食べよう。僕は腹ペコだから、思いっきり今日は食べるぞ」
ネドは微笑んだ。
今の僕は、何に対しても結論が出ていない。
ただ一人の肉体を持つケネス星人として、僕はどう、生きていこうとしているのか。中途半端なままでは、前と同じことになりかねない。そして、死ぬことができなくなってしまったこの星の人々は僕が仲間になることをどう思うのだろう。ああ、でも仲間にならなければ、僕が死んでしまった時、僕はこの人たちと未来永劫逢えなくなってしまう。
宇宙連邦軍にいつまで勤務し続けるのかさえ、・・・やっぱり僕は迷っている。
「・・・・そうだ、そうだ、僕、聞きたいことがあったんです」
「どうぞ」
「ベーター星のパラスで、僕を助けてくれたでしょ」
「ああ」
「いつ頃、僕が、いや、何時ごろからフェレルは、あのキッタリアにいたの?」
「ああ、あの件ね。商務省の情報網はどこよりも優秀だ」
「ええ」
「君が奴隷商人と歩いているところを見かけたケネスの商人が居たんだ。商務省に連絡してきた。そして、そのすぐ後に、ケネス星立銀行から緊急メールが回ってきたんだ。そして、僕はすぐにキッタリアへ転送で向かった。という訳だ」
「なーるほど」
暖かい会話が、考え迷っていた自分の気持ちをほぐしてくれる。