「マシアス、サライ最高司令官はどこだ?このテラに着いたのか?」
「うん?あ、会議は終わったようだから、このフロアのゲストルームかな?」
サライ最高司令官が危ない! やつらの狙いは僕にサライ最高司令官を殺させることだった。
ネドは左前腕を触った。
「サライ最高司令官の現在位置を教えてくれ」
帰ってきた応えは、このテラの乗務員食堂とのことだった。
ネドは素早く着替えを始めた。
「おい、ネド。何をしているんだ」
「マシアス。僕はここの食堂に行く」
「何を言っているんだ」
「僕は、ハボスの狙いが分かったんだ。僕に念を送っていた人間に導通したことで分かったんだ。僕にサライ最高司令官を殺させようとしたんだ」
「おい!ネド!」
ネドは止めようとするマシアスを振り切って、通路へ出た。
マシアスは追っては来れない。姿を見せられないから。
マシアスは、すぐ左前腕を触り、ギガのキャプテン、キースに報告をした。
キースはネドの頭上に透明スクリーンをかけてカメラを飛ばした。
ギガの正面スクリーンの一部が変わって、ネドの姿を映し出した。
ネドが足早に通路を移動し、エレベーターに乗り、降りて、また移動していく。
ネドがピタリと止まり、通路の角に身を隠した。
食堂までの通路に、目線の先にハボス星人が歩いている。
ハボス星人の軍人一人が、任務を果たそうとしていた。
ハボスの軍人は、テラ側から提供された情報から、乗務員食堂の位置は分かっていた。
食堂の入り口で、ハボスの軍人は、壁に身を寄せて、食堂の中を確認した。
いる。ケネス星人が何人かいる。奥のテーブルに。
ネドは悟られないように少し離れて、この人物を見ていた。
この人物は、肩から下げた手提げから、何かを取り出した。取り出したものがキラリと光った。銃だ!