「了解です」
シリスがこう応えた直後、
「ハボス船、ビーム発射」
ギガの正面スクリーンの中を、再びビームの金色の筋が通過した。
「防御スクリーンに当てさせないようにしてくれ」
追ってきたハボス船がもう、間近に迫ってきていた。
意図的なビームの当て方をしている。ガンマ星の衛星に向かわさせている。
このガンマ星の衛星は、楕円軌道である為、かなりガンマ星とはまだ離れている。
ここで、ガンマ星の衛星の影にいたハボス船が衛星の影から姿を現した。
「右、ハボスの別の中型船です」
コントロールルームの士官が声を上げた。
姿を現すなり、ビームを発射した。
「もう一隻が、ビームを発射しました」
「シリス、小型船の防御スクリーンに当てさせないでくれ」
「了解です」
キースは小型船の破壊が目的ではないと分かっていた。やつらの目的は小型船の捕縛だ。
小型船はハボス船両船から挟まれる形で、ビーム攻撃を受けている。
どうする。
必死でおのおのの仕事をこなしているギガのコントロールルームの乗員の無言の圧力が、キースに向けられた。
「減速。小型船をガンマ星の衛星の周回軌道にそのまま入れてくれ、僕らも入る。入ったら舵を上に切れ」
「了解」
キースの決断の声を待っていたように、
「キャプテン、キース」
ここで、サライ最高司令官の、落ち着いた声が、再びギガのコントロールルームに響いた。