そして、ハボス船2隻の右後方に、今度はガンマ星の衛星の影からケネスの大型艦フィッツが、透明スクリーンを切って、姿を現した。
ハボス船を後ろから追う形で、急接近した。
やつらは、どうするのだろう、とネドが思い始めたころ、ハボス船は、2隻とも方向転換をして、宇宙の闇に消えていった。
ケネス艦ギガは、今は離れた位置で、透明スクリーンと防御スクリーンを自船に張ったまま、そして小型船を防御スクリーン内に入れたまま状況を見ていたが、状況が一段落し、センサーでハボス船が十分離れたのを確認すると、キャプテン、キースは、まず、ミッドとフィッツのキャプテンに礼を言い、そして、サライ最高司令官にも、感謝の言葉を伝えたのだった。
戦闘態勢コードAは解除となり、ケネス艦ギガは、ネメスの宇宙ステーションへ進路を向けた。
「ネメス星の宇宙ステーションへ進路を取ってくれ」
「了解、進路変更」
「小型船を収容して」
「了解」
キャプテン、キースは、隣の補助イスから立ち上がったネドに、
「ところでネド、待ち合わせは何時なのかな?送っていくけど」
と声をかけた。
「ありがとうございます。明日の10時の待ち合わせです」
さすがにネドも、恐縮して応えた。キャプテンは
「では、時間があるということなら、僕の執務室で、ちょっと話たいことがある。来てくれないか?・・シリス」
と後方の副長に声をかけてから席を立った。