ネドは突進しこの男を突き飛ばした。
その男は倒れながらネドを視線に捉えた。この男は、身体を捻ってネドに発砲した。
シュッ
この一部始終を、ギガのコントロールルームで、全ての乗員が見ていた。
ネドは自動化されたQコードで、ギガのゲストルームに転送された。
さて、話をもとの時間に戻そう。
「最高司令官」
「サライ最高司令官」
キャプテン、シュメルの声で、サライは、はっとした。
僕が次に何を指示するのか、ミッドのコントロールルーム全体の視線が自分に向けられているのを感じた。
サライは補助席のパネルを触った。
「転送士官諸君、僕とプロー秘書官、ヴァレス補佐官をテラのゲストルームに戻してくれないか」
3人の周りが、金色の光に満たされ、テラのゲストルームに3人が実体化した。
警報音はテラの船内で、まだ、鳴り響いていた。が、すぐに警報音が止んだと同時に、ゲストルーム備え付けの通信機が鳴っているのに気が付いた。
サライが出ると、このテラのキャプテン、ファウルであった。
「ああ、良かった。サライ最高司令官、ファウルです。皆様ご無事でしょうか?」
「え、ああ、大丈夫ですが」
「それは、それは良かったです。先ほどからご連絡していたのですが、お出にならなかったので」
「それは失礼しました。3人とも熟睡してしまっていたようです」
サライは応えた。
「実は先ほど警報が鳴ったのですが」
「ええ、そのようですね。実は3人とも、その音で目覚めて、何事かと思ったのですが。何かあったのですか?」
「それが、乗務員食堂の壁が、何者かによって損傷したのです」
「ええ?それは・・」